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本田恭子助教が地域農林経済学会学会奨励賞を受賞しました

奨励賞:
 本田恭子(ほんだやすこ)著『地域資源保全主体としての集落―非農家・新住民参加による再編を目指して―』農林統計協会,2013年3月
受賞理由:
 現在,集落は農家の減少とともに過疎化あるいは混住化して,これまで実施されてきた集落の農家による地域資源の保全活動が十分に行えなくなっています。本書では,このような状況下でもその保全活動の主体として集落を位置づけて,農業生産基盤であるため池・農業用用排水路といった農業水利施設を環境資源保全活動の対象として,次の3つの課題について検討している点が高く評価できます。すなわち,第1に非農家や新住民が保全活動に参加することを促進するにはどうすれば良いか,第2に新住民などの異質な参加者には保全活動においてどのような役割を担ってもらえば良いのか,第3に公的支援がどうあるべきか,ということです。
 さらに,本書の特徴として次の2点があげられます。すなわち,第1に各章の最初において,それぞれの章に関わる既往の研究成果について詳しく検討していること,第2に集落の住人または代表者に対してアンケート調査や聞き取り調査を実施して,これにもとづいて実態と課題の解決策を明らかにしていることです。この特徴も高く評価できます。
 ただし,次のような研究課題が残されていることが指摘できます。第1に保全活動を研究対象としているが,現在,農業水利施設が老朽化して更新する必要があります。このような施設に対するあらたな投資における費用負担の配分をどのようにするのか。第2に地域資源の管理問題として本書では「保全」問題と「利用」問題を取り上げています。しかし,残されている大きな課題として「所有」問題があります。
 審議の結果,これらの課題に今後,積極的に取り組んでいくことを大いに期待するとともに,上述した高い評価から判断して,本書は学会奨励賞を授与するに値すると判断しました。